ジェラール・プーレ先生
先々週土曜日、代官山教会チャーチホールに於いて、プーレ先生のヴァイオリンコンサートがありました。
先生は、フランスのトップクラスのヴァイオリニストとして活躍なさる一方、パリ国立音楽院で長らく教授、その後エコール・ノルマル音楽院、その他世界中に教え子がットップクラスの演奏者として活躍している・・・フランスを代表する勲章受章者のお1人です。
その演奏の魅力的なこと!まずは音色の驚異。一流の演奏家はその奏でる楽器を超越したところで音楽が発せられるものですが、その、数少ない演奏者のお1人だと思います。完璧な純正調の音程の心地よさと言ったら!!!
先生は、パリ国立音楽院、エコールノルマル音楽院等、フランスの主要音楽院の教授職を引退後、東京芸大から招かれ、名誉教授をつとめられ、日本のヴァイオリン教育界のレベルアップにも大いに貢献なさっています。娘の芸大時代の友人で 幸運にも先生の門下に選ばれたヴァイオリン科の友人など、わざわざ留学しなくても、本物のが学べる!と喜んでいました。
ヴァイオリンという楽器も難しい、ヴァイオリンの世界、コンクール等、も難しい・・・でもこうした、本物の演奏、前世紀の良き演奏をお聴きできる希少な演奏会でした。ピアノもそうですが、いま、演奏を聴いただけで、誰が弾いているか わかる、と言った演奏者は少ない、と思います。コルトー、ホロビッツ、サンソン・フランソワ・・・音源を聴いただけで「あぁ!」とひらめかせてくれる・・そんな方たち。 でもいまは、「誰が聴いても完璧な演奏」はあっても前述のようなスタイルは、コンンクール等、時代の要求の弊害に淘汰されていまうのだとしたら、悲しいですね。本当に誰が食しても「おいしい」お味とは? 見栄えがよく飾り付けの完璧なお皿ではないのですが・・・。