ロマン派美術館
4月の続きです。
ピアノに関わるものとして一度は行ってみたいと思いながら、なかなか行けなかった美術館です。娘の家からすぐですのに(モンマルトルの丘の麓)、今回初!・・・行ってよかった。ロマン派の時代の文化人たちの集うサロンの空気に実際に触れてみることで、イメージが大きく膨らみます。
ロマン派美術館、という前に「ロマン派」の説明を・・・。クラシック音楽は大きく4つの時代に分けられます(もちろんもっと大昔から音楽は存在していたのですが)
①バロック→ ②古典派 → ③ロマン派→ ④近現代
①と②は後世の人が名づけたものですが、ロマン派は当時の音楽家たち自らを主義として、こうよんでいました。
この呼び方は音楽だけでなく、文学、絵画においてもそうであったのですが。
時代は主に19世紀、ピアノ音楽においてはショパン、リストがまず頭にうかびますね?!
今日のロマン派美術館はまさに、その時代の文化人たちが足しげく通ったサロンであった場所なのです。
そのうちの一人、当時の売れっ子女流作家(男装の麗人と言われていた)であったジョルジュ・サンド。
必然的に彼女の恋人であったショパンもピアノを弾きに訪れました。彼の親友であった、画家ドラクロワやリストも・・・。
そんな色々な分野の芸術家や文学者たちが時間を共にした、サロンであった館なのです。
表の通りから脇道にはいるので少しわかりづらいのですが、入館無料のひっそりとした館。ドアを開けたら、サロンの方からショパンのスケルツォ1番が聞こえてきました。
左の方の手はショパンのもの。 右の腕はジョルジュ・サンド。
2階に展示してあった、旅行用のピアノ!! これを馬車に載せてショパンは各地を演奏旅行して回ったのでしょうか。
プティ・アールのみんなは欲しい!と思うはず?!笑
観終わって、館の外に出ると、ここがパリ?と思うくらい静かな中庭。カフェで一休み。
アンリエット・ピュイグ・ロジェ先生、という、その才能という意味で私が神のように遠い存在として敬愛するピアニストの先生が「ピアノ弾きとして、ショパンは食傷してきたけど、80歳を越して いまさらにその素晴らしさに魅了されるわ」とおっしゃったそうです。私も いろいろ心惹かれる曲は多いけれど、やっぱり、「ショパンに帰ってくる」のかなぁ!と思った瞬間でした。