魔笛(オペラ バスティーユにて)
4月のパリのお話しを続けましょう。
今日は帰国前日に足を運んだ、オペラのお話しです。
パリでオペラ、と言えば・・オペラ座、そうなりますよね?!
でも今回は 念願のオペラバスティーユ。すなわち、バスティーユ広場に出来た、新しいオペラ座です。
留学生時代、最後に行ったオペラが、旧オペラ座(オペラ・ガルニエ)でのモーツァルトの「フィガロの結婚」でした。
キリテ・カナワがまだまだ新進の頃!
そして、数十年を経て、新しい、最新のメカニックを尽くされた設備の新オペラ座での、同じくモーツァルトの「魔笛」
・・・感慨もひとしおでした。
序曲が鳴っているときの舞台の正面がこれです!
この日も思いつきで、チケットの手配をしたのですが、当日売り場でならんで、キャンセル待ち半額チケットをゲットしました。1階席の正面!まともならこんな値段ではとても観れない特等席です。
日本では オペラというと、なんだか贅沢とか、敷居が高い、とかいったイメージですが、今回のようにお安いチケットもあるし、それこそ、天井桟敷なら、本当にお得感たっぷりのコンサートです。それに大昔のように、着飾っていかなきゃ、ということもさほどではなく、気軽に行けます。(あ、この日、日本人らしき若い男性が羽織袴を着て、目立ってました笑)
それよりなにより、どうです!? この舞台演出! とてもモーツァルトの舞台とは思えない感じですよね?
時代の隔たりを感じさせる派手な衣装でもなく、ゴテゴテの舞台でもない分、歌手たちの歌そのものに入り込むことができ、シンプルな演出が、モーツァルトの音楽の深層に、聴き手を引き込んでくれた、そんな思いがしました。あっという間の3時間でした。
昔、まだ学生だった時、すでに世界的に著名な指揮者でいらした朝比奈隆氏が授業に来てくださって、学生を前にこうおっしゃいました。「君たち学生は、ピアノ科の子はピアノのレコードしか聴かない、歌の子は歌しか聴かない、これではだめだよ。みんなオペラを聴きなさい」と。 心の中で『そうは言ってもなかなか時間もお金もないし・・・』・・。でも今は分かります。同じことを生徒に言っています。そうそう、この夜、子供たちもちらほら、来ていましたよ!?