テアトルシャンゼリゼにて
ゴールデンウィークも過ぎ、ようやく平常な日々が戻ったというところでしょうか?
皆様いかがなお休みをお過ごしでしたか?
少し遅れましたが、4月は、4日に発表会を無事済ませ、半ばから後半までパリに滞在しておりました。
4月の「スプリングコンサート」では、ラヴェルとJ,アランを講師演奏として弾いたのですが、1月のパリ滞在の時間が、その2曲の立ち上げから仕上げまでの日々に大いなるインスピレーションを与えてくれたのは自分でも驚きでした。
今回も、皆様にたくさんのアーティスティックなお話しができるよう、大切に時間を過ごしたつもりです。ではその御報告から…。
パリに着いた翌々日、「テアトル シャンゼリゼ」での、カウンターテナーの演奏会に行きました。カウンターテナーとは男性歌手でありながら、女性歌手の声域を主にレパートリーとする歌手のことです。(上の写真の真ん中がそのカウンターテナーの方…それ以外は弦楽四重奏のメンバーとピアニスト)
…と言いますか、この演奏会、実はそのピアニスト(ジェローム・デュクロ)が聴きたくて、チケットを購入したのです(一番左手がそのピアニスト)。
皆さん、このイケメンの音楽家たち!素敵でしょう?しかし、実際 コンサートを聴きにいってみるとみな実力派ばかり・・・すごい人気の演奏家たちです。そんなわけで、会場は完璧な「超満員」。1席たりとも空席はありませんでした。ぎりぎりのチケット購入でしたので、安いチケットしかなく「バルコン」の席・・・聞こえはいいですが、はっきり言って「天井桟敷」。舞台がほとんど見えない5人部屋でしたので、なんとか見ようと2時間ほとんど、その狭い空間の中で中腰か立ち見でした。それでも飽きなかった。
同じバルコンのお連れは品のいい、フランス人の中年カップル。私たちと一緒に何とか少しでも舞台が見えるようにお互いに場所を譲り合ったり、交代で座ったり・・・。テアトルシャンゼリゼは古い劇場なので、天井に近い席はものすごい傾斜で、転がり落ちそうなほど怖い!でも舞台が見えずとも、みなさん とってもリラックスした姿勢で天井を見つめたり、体を伸ばしたり・・みなさん思い思いのスタイルで耳に届く音楽に身を任せ、楽しんでいる人たち!見渡す限り、この演奏家たちを聴いてやろう、と《楽しみにこの会場にきましたオーラ》がテアトルに満ちているコンサートでした。
アンコールで1曲、ふつうのテノールの地声で歌ってくれたのは、笑ってしまいました。