古き良きイギリスの愛の歌
- 2014年12月12日
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先週の土曜日の午後は、代官山教会チャーチホールで、いとこのソプラノ歌手平井満美子&リュート奏者佐野健二のコンサートでした。
このチャーチホールは去年の12/22竣工の出来立てホヤホヤのホール。これについてはまた後日書くことにしまして、今日はこの日の演奏会について。
この二人は、日本に古楽を持ち込んだパイオニアの1組と言っていいと思います。
日本ではまだまだ、「コガク?」「りゅーと?なにそれ?」なんていう時代であった、30年ほど前に、すでにイギリスやオランダで盛んに演奏されて人気をよんでいたのを、我が日本にもちこんできた人たち。ソプラノ平井満美子は、従妹と言っても、ほとんど姉妹のように育ち、声楽とピアノと専攻は違えど同じ大学に進んだのでした。卒業後、ほどなくして古楽に出会い、また将来、伴侶となる佐野健二と出会い、当時古楽歌手として、貴重な声の持ち主として活躍をスタートしたのでした。
時代のターゲットは1500年代~1600年代、歌の内容は いとも民衆の心をとらえる愛の歌がちりばめられていて、とても身近に感じていただけたと思いました。文学的にはちょうどシェークスピアの活躍と重なると言えば、演奏会の雰囲気が分かりやすいでしょうか。リュートの響きは、まさに手作り、オーガニックな音色。ソプラノの声は、のちのオペラティックなベルカント唱法とはまるで違う、ビブラートの少ない、語り部の言葉がメロディーを持ってあたりに漂よう、そんなイメージの音楽でした。
この日は佐野は大阪から、7弦のいわゆる、リュートと、なかなか目にすることのできない14弦のアーチリュートも持ってきてくれました。本人は何食わぬ顔して弾いていましたが、実はこのアーチリュートは超絶技巧を要する楽器です。ギターの素養のある方ならお分かり頂けるでしょう、抑える弦が14本です笑。この日のパーセルの曲のようにこの時代の中でも音域、音量を要する曲の、必要が楽器を産んだということなのです。
私はピアニストですので、彼らのターゲットとする音楽とはほとんど、時代が被ることはないのですが、「人の心に伝わる音楽」、これは時代、様式、楽器、それらすべてを超越してもっとも偉大なる命題なのです。人の心に伝わらない音楽・・・自分の技術を誇示するためのものであったり、商業ベースオンリーだったり、未熟な完成度の低い音楽、何か、心を忘れた次元で作られたり、演奏されたり、…していった音楽はきっと時代の流れの中で淘汰され消えて行ったのでしょう。そして何百年の時を経ても残った、「本物」を人々はいつまでも愛し、歌い演奏し、そして次の世代にパスしていく。その繰り返し・・1500年代がなんだか身近に感じてきてしまいました。
ちなみに平井満美子のこの日のドレスは、19世紀イギリスのデザイナー、ウイリアム・モリスの代表的な意匠「いちご泥棒」のデザインの生地でした。
アンコールの拍手も熱く、次回への期待も盛り上がって、幕は下りましたが、是非シリーズ化してほしい、との声が、何よりうれしかったです。



































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